髪と神さま
何やら、この世の中には面白いものが溢れている。
【ミラクルヘアカット】に行ってきたよ、の巻。
基本的に、どうやら私という人は《自分が見える見えない》とか《人が信じているか信じていないか》とかには興味がないらしい。
いつも、私《が》信じているか、私《が》興味があるか、私《の》心の琴線に触れるかどうか、ということへ帰結してゆくのだ。
ということでミラクルヘアカット。
それまで存在自体を全く知らず、鮫島未央さんのメルマガ募集を読んだ瞬間に申し込み、無事狭き関門に滑り込みカットしてもらった。
懇意にしていた美容師さんが遠くに行ってしまって、カットをしばらくしてなかったので何気に1年半ぶりくらいのカット。
申し込んだ後に軽く調べてみると、とりあえず私はまな板の上の鯉状態になることしか出来ないらしい。
ならば、と余り深く考えずに迎えた当日。
唯一、カットをしてもらう前に心が呟いた言葉は《本来の自分の流れを取り戻す》ということだった。
で、カットしてもらったら。
…なんか…忘れていいんですって。
この時に伝えてもらった言葉を、終わった後にぼんやりと反芻してたら余計にじわじわと腑に落ちてきた。
と、いうのも。
めっちゃ髪の毛を切りたくなって美容室に行って「どんな髪型にしますか?」と聞かれたとき。
すっごくすっごく悩んでいてカウンセリングや講座に行って「何が聞きたいですか?何が悩みですか?」と聞かれたとき。
…その問いを聞く迄は、髪型ならあれもこれもいいなあ、聞きたいことならあのことやこのこと、あー!あれも知りたいな、って心の中はわんわんと煩すぎるくらい饒舌だったのに。
問われた瞬間に消えてしまう。
ええ…っと、憧れる髪型や知りたいことや悩みがありすぎるくらいあった…はず、なのに浮かんでこなくて、答えられなくなってしまう。
急に心がシーンとしてしまう。
なんか物事を深刻に捉えられないこととか、普通に考えたら不安を感じてもしょうがない状態にいても、あんまり何とも思わないところとか、そういうのも関係してそうな言葉だったから。
号泣する、というのではなかったけど言葉を聞いているときに、ほろほろと涙が流れたのは、たぶん安堵したんじゃないかなあ。
私の心の奥、私の魂が。
なんか、とっても興味深く面白かったので、また3月に切ってもらうことに。
切ってもらってから、しばらく経った今、あの日のことを書こうとして浮かんだ言葉は《大いなる私の魂よ》だった。
多分、もう一度、大丈夫と言ってもらっているんだろう。
そう言えば、あの美容師さんも自意識の私に「どんな髪型にしますか?」とは尋ねてなかったもんな。
ちっちゃい自意識の私が出した返答は、いっつもスルーだった。
だから良かったし、私にしてはマメにカットに行けたんだな、ということも分かった。
髪は自分の中にいる神さまと繋がっているから。