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dawn,light

「光といふことを」人めには/みえぬものから/かがやくは/こころの底の/光なりけり

わたしの世界

梨木香歩『裏庭』|新潮社を読み返した。
初めて読んだ、と感じるくらい内容は覚えておらず…まあ、わたしにはよくあることなのだけど。

昨日の夜はモモを読み返した。
こちらもまた幼い頃に読んでいたはずだけれど、細かいところの覚えがない。

どちらの主人公も自分の世界を持ち、自分の世界と共に生きることを選ばざるを得ないことを、逃れられないことを、魂が分かっていることを知っている。

いま、この時に、これらの本を読んだということは、何かを私に教えてくれているのだろう。

片方は血縁的な家庭を持たず、片方は精神的な家庭を持てずにいる。
大人へと成長していく過程で、自己との対話をする少女である。
自らの傷を本当に意味でどのように治癒してゆくのかを模索する。

血縁的な家庭を持たぬモモは自分以外の誰かの為に自分が行えることがあると腑に落ちたことで灰色たちと対峙する。
これは既にモモが意識のある頃から自分自身を満たすことが出来ていたからこその展開だ。

精神的な家庭を持てずにいる照美は自分は他でもない自分自身を生きるということでしか生きて行けないことを知ることが根の国という枠をとっぱらった。
それは、自分自身を満たすということを知り自分が自分のことは満たしてゆくのだと体得したから。

ひとは、それぞれの街、それぞれの裏庭、それぞれの世界を持っているからこそ、生きている。
レベルとは違う意味で、それぞれの向き合うべきテーマがある。
それぞれが孤独しか感じないくらい深く向き合い取り組むことで自分を満たすことで、他でもないわたしのためのわたしの世界を、わたしが輝きを感じて生きることが出来るのだ。

いま、この物語を立て続けに読んだこと、わたしの世界にとって大切なことだ。