dawn,light

「光といふことを」人めには/みえぬものから/かがやくは/こころの底の/光なりけり

泡の中で

昨日は久しぶりにソファで寝落ちしてしまった。

年を越して以降、どうにもこうにも眠気が身体の周りを漂い過ぎている。
去年は少し無理をしてでも早起きが出来たから、私にしては突っ走りながらまめまめしく過ごしていた。
仕事の鎮守神社に参拝したり、お稽古に参加したり。

それが、どうしたことか。
突っ走っていた反動なのか年末から年始にかけて2月節分頃あたりくらいまで心身が弱った時に出る不調のデパート状態だった。
立春を過ぎて、身体の不調はおさまってきたけど、眠気は一向になくならない。
何だったら一日中でも眠ることができるくらい。

そして、休日前の昨日、春一番が吹く前の夜、久しぶりに寝落ちしたのだった。
リトル・フォレストを見ながら。
(あれは本当に豊かさが満ちる映画だと思う。)

生まれ出る手前の、変容という夜明け前にいるような、海の底にいるような。
身体が重く感じる。
自分の意識や判断が自意識では、どうにもならない。

奇しくも、外は雨。
雷も鳴り、風も吹いている。
外に出たいような、このまま家でぼんやりしていたいような、気持ちのまま、少しだけ眠る。

目が覚めたら、外は晴れ間が見えてきた。
シャワーを浴びようかと考えたものの、久しぶりに炭酸浴をしようと思い立つ。
でも家族もいるし、急に昼間に新しいお湯でお風呂に入るなんて、普段しないことをするのに少し躊躇した。

でも、決めたのだ。
そりゃあいきなり全てを行動に移すことができなくとも、私がしたいと思いついたことをできるときは行動するのだと。

まあ、実際に言われていないことを深読みして相手に投影するのは、自分の内側からの抵抗なのだろうな。

…で、なんだっけ。
そうそう。
まあ、そんなこんなで昼間から炭酸浴に入ることにしたのだった。

しゅわわわわ…と発泡するお風呂の中で、ふと考えたのだ。
いろんなことに対して無防備だったなあと。
もう引き受けないぞ、と。
この泡に自分以外の何かを全て流してしまえと。

お風呂から出たら、爽やかに晴れた空と開けた窓から入ってくる風に身と心に受けながら、身体を拭くうちに何だかさっぱりしてきたのだ。

淀む前に、泡の中で泡と共に流していけば良いんだよね。