ごくごく身体に通す
昔から“水”をこよなく愛している。
さらさらときらきらと流れる水が好き。
海岸や川辺、透き通る水が湛えられている湖が好き。
上から流れ落ちる音、高いところから流れてゆく音、水が跳ねる音、桶に溜まってゆく音、風のような動きが聞こえてくるような音が好き。
水は流れゆく。
現れるときは、どこからともなく空からやってくる。
そして見えなくてもどこにでもいる。
500mlくらいなら一気に身体の中を通したくて飲んでしまう。
2リットルは飲み過ぎとも聞くけれど、日によっては、私は私の中に果てなく水を流し続けたい。
私が飲んだ水たちはイメージの中で細胞ひとつひとつを内側から潤してくれる。
その存在を、なんらかの形であれ、一端であれ、感じるだけでも、私の中が潤っていくのだ。